2013年9月26日木曜日

「売れる商品は感性工学がある」

台風が近づいているせいなのか、風が強い。
とりあえず、午前中に通り過ぎるのを期待して
半休をとってみました。


さて、昨日の話になるのですが、
次の本を読み終えたので、簡単にレビューしてみます。

椎塚久雄著「売れる商品は感性工学がある」
http://www.amazon.co.jp/dp/4584135126


著者の椎塚久雄先生は、工学院大学の教授をされていて
日本感性工学会の会長もされている方とのことです。


椎塚先生は、「感性工学」の「感性」とは、Tastingのことであったり、
「感性とはゆらぎである」と仰っています。
本書では、ノイズ(=ゆらぎ)が感性として有効に働くと説明されており、
事例として食塩と岩塩の比較を語られていましたが、
私にも確かに思い当たるところがあるなぁ・・・と思いながら読みました。

私がパッと思いつく事例は、音楽でしょうか。
カセットテープとかレコードの音はノイズが入りまくっているのですが、
そのノイズが今では嫌なものには感じません。
(コンテンツがまったく聞こえなくなるくらいのものは、もちろんNGですよ!)

それは、ノイズから連想される私の記憶が悪いものではないからなんでしょうね。
私が音楽のノイズを聞いてパッと連想されるのは、
カセットテープに録音した深夜のFM放送の音楽番組。
いろいろな洋楽を聞けるきっかけを与えてくれた、良い思い出です。


他に印象に残ったセンテンスは、次の①~⑤ですね。

①人は結局好き嫌いで判断している

これはとてもよく分かります。
メリットが多いと自分でも感じていながら却下した出来事なんて
私も結構あります。

コラムニストの中森明夫さんが、大昔にTwitterで
「芸能人の仕事は、好きになってもらうこと」って呟いておられました。
でも、これは芸能人に限らず、ビジネス全般的に言えることなのではないかと。
「好きになってもらう」ようにするのはなぜか。
この理由が「人が好き嫌いで判断している」からなんだと感じました。
スペックだけではないのです。

参考:https://twitter.com/a_i_jp/status/4162611914481664


②(ものを選ぶにあたっては)大きな好きが一つかふたつあればいい

重要な話だと思うのですが、意外と最近は自分の持っている「大きな好き」を
理解できなくなっているのではないかと考える自分がいます。
何をやるにしても、選択肢が非常に多くなってきたからです。

だから、『大きな好き』を見つけるお手伝いをするための
技術開発を今提案しようとしているところなのですが。。。

このセンテンスを読んで、自分の今の仕事のことをつい考えてしまいました(笑)。


③価値は情報の受け手が価値を認めて初めて価値が生まれる。

文言だけを読むと、至極当然な話なのですが
意外と忘れがちな話なんだと感じました。


④コンジョイント法

性能や価格などの要素の組み合わせを何パターンか作り、ユーザーにどれなら買うのかを選ばせる方法。
人間はバランスをとりたがる習性を利用しているのだそうですね。

この方法は、妥協できるゾーンと妥協できないゾーンの境界を
見つけ出す目的で使うのが良いんでしょうね。
境界が分かれば、あとは企画しているサービスとかが
妥協できるゾーンにいるのかどうかをポジショニングしながら
改良していけばいいわけですし。。。


⑤映画の予告編は、映画制作者ではなく予告編制作プロダクションなるところが作る。

そんなプロダクションがあったなんて知りませんでした(笑)

撮影した映像の流れに沿って作られてしまって映画の魅力が半減してしまう、
という理由からなのだそうです。




分量そのものは少なく、分かりやすい表現で書かれているため
1時間ちょっとあれば読めてしまいます。
それでいて、メーカーに身を置く人間として、
いろいろ考えさせられるところもありました。

良書です。

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