2015年3月8日日曜日

なぜ20円のチョコでビルが建つのか?

本屋でたまたま見つけたので、立ち読みしたところ
面白いことがいろいろ書いてあったので、即購入。



お菓子販売業界は、薄利なんだそうです。
売り上げをきっちり出すためには多売しなければならないのですが、
スーパーとかでの、お菓子の存在は「ついでに買われるもの」。

そういうお菓子を専門に販売する二木さんのようなお店は、
他の業界以上にシビアな販促戦略を求められるのだそうです。

そんな中でどうやって利益を出し続けて来られたのか、という話が
いろいろ書かれています。


私の印象に残ったものは、次の3つです。

  1. 差別化とは、「自社のビジネスが市場で飽和しているとき、具体策を持って
    自社の唯一性を消費者に理解してもらうための技術」
     
  2. 非効率なことにあえて取り組むことが、差別化につながっていく
     
  3. 理論、理屈でマーケティングすると個性を失う

1つ目は、私が現在勤めている会社が、まさに市場で飽和しているものを
扱っているので、いろいろ考えてしまいました。

大事なのは、具体策があるということ、ということだそうです。
そして、具体案がないとき、他社の成功例を安易にパクっても
効果が薄いとも仰っています。
口で言うのは簡単だけど、実際に具体策を探してみるというのは難しいもんですね。


2つ目は、大手が効率化によって価格を下げる取り組みを行っているので
同じ土俵で戦おうとすると負けてしまう。ならば、大手が避けたがる傾向にある
非効率なことを取り組んでみよう、というものだそうです。

ここで「非効率」という言葉を使うのは語弊がありますが、
要はマジョリティーを狙うのではなく、個人のニーズを叶えられるようにし、
それを積み上げていく、という姿勢を貫け、ということなんだろうと理解しました。


3つ目は、ついついデータマイニングのことを想像してしまいます。
大量のデータを相手にデータマイニングすれば、ある傾向にはたどり着くことができます。
しかも、全体的に最適化されている結果。。。

でも、こういう全体的に最適化された解というのは、
案外みんな何となく知っていることなんじゃないかと思われます。
そんなみんなが何となく知っている一般解を基に戦略を立てようとすれば、
結果的には、他との差別化が図れなくなるのもイメージできてしまいます。

だから、データマイニングはマーケティングに直接使うのではなく、
みんなが何を見ているのか、という点に注目するために使うと良いのかな、
という、この本とは趣旨が異なる面での気付きがありました。



最後に、著者に一言。

菓子の二木のライバルは、「ディズニーランド」ではなく
「ドン・キホーテ」だと思う。。。(笑)






2015年2月10日火曜日

自治体へ営業に行こう

ジュンク堂の中を彷徨っていたら、たまたま見つけた本。
自治体に関わる仕事を担当することになったので、
とりあえず読んでみるか、というノリで買いました。





感想としては、何か久々に発見した気分というか、
新鮮な気持ちで読めて、面白かった。


まず、自治体とは「お金を使うのが仕事」という定義が面白かった。
言われてみれば確かにそうなんだけど、そういう風に考えたことはなくて、
どちらかというと、市民の管理をする人というイメージが強かったですね。

(市民のために)お金を使うのが仕事なので、
自治体からお仕事をいただくためには、市民のためになることを
プッシュしなければダメ。

また、お仕事を取るためには、複数人でプレゼンをするとか、
自治体の人と取引することはできない、とか、
いろいろと取り決めがあって、結構市民に対してとても慎重な姿勢を
自治体はとっているんだというのもよく分かりました。

なお、自治体に仕事に応募するためには、参加資格者名簿へエントリー
されている必要があるようですね。
案外、中小企業が初めて応募するには、この点に壁があるように思えました。

あと、仕事内容の「等」の字に注意、というのは、自治体に限らないかも(笑)。
「それくらい、いーじゃーん??」って言わせる余地を与えているので、
そこをヌルっとするのではなくて、できるだけスコープを明確にするのは
とても重要なことですよね!


今はモノが豊かになり、戦後のように
「まずは道路作ってよ」とか「まずはガスを使えるようにしてよ」
といった市民に共通の要望というものはなくなって、
自治体に求めるものが多様化しています。
しかし、少子高齢化のために税収が減っており、多様化した市民の要望に
対応しきれない現実があるようです。

自治体の方々とお仕事をされたい方は、
相手を少しでも知るという意味で、読んでみても良い本だと思います。

自治体のことに触れた本ですが、文体自体は軽いので、とても読みやすいです。