本屋でたまたま見つけたので、立ち読みしたところ
面白いことがいろいろ書いてあったので、即購入。
お菓子販売業界は、薄利なんだそうです。
売り上げをきっちり出すためには多売しなければならないのですが、
スーパーとかでの、お菓子の存在は「ついでに買われるもの」。
そういうお菓子を専門に販売する二木さんのようなお店は、
他の業界以上にシビアな販促戦略を求められるのだそうです。
そんな中でどうやって利益を出し続けて来られたのか、という話が
いろいろ書かれています。
私の印象に残ったものは、次の3つです。
- 差別化とは、「自社のビジネスが市場で飽和しているとき、具体策を持って
自社の唯一性を消費者に理解してもらうための技術」
- 非効率なことにあえて取り組むことが、差別化につながっていく
- 理論、理屈でマーケティングすると個性を失う
1つ目は、私が現在勤めている会社が、まさに市場で飽和しているものを
扱っているので、いろいろ考えてしまいました。
大事なのは、具体策があるということ、ということだそうです。
そして、具体案がないとき、他社の成功例を安易にパクっても
効果が薄いとも仰っています。
口で言うのは簡単だけど、実際に具体策を探してみるというのは難しいもんですね。
2つ目は、大手が効率化によって価格を下げる取り組みを行っているので
同じ土俵で戦おうとすると負けてしまう。ならば、大手が避けたがる傾向にある
非効率なことを取り組んでみよう、というものだそうです。
ここで「非効率」という言葉を使うのは語弊がありますが、
要はマジョリティーを狙うのではなく、個人のニーズを叶えられるようにし、
それを積み上げていく、という姿勢を貫け、ということなんだろうと理解しました。
3つ目は、ついついデータマイニングのことを想像してしまいます。
大量のデータを相手にデータマイニングすれば、ある傾向にはたどり着くことができます。
しかも、全体的に最適化されている結果。。。
でも、こういう全体的に最適化された解というのは、
案外みんな何となく知っていることなんじゃないかと思われます。
そんなみんなが何となく知っている一般解を基に戦略を立てようとすれば、
結果的には、他との差別化が図れなくなるのもイメージできてしまいます。
だから、データマイニングはマーケティングに直接使うのではなく、
みんなが何を見ているのか、という点に注目するために使うと良いのかな、
という、この本とは趣旨が異なる面での気付きがありました。
最後に、著者に一言。
菓子の二木のライバルは、「ディズニーランド」ではなく
「ドン・キホーテ」だと思う。。。(笑)